作成者:清義明

主役の顔は大切ですね / 「プライド」 【映画】

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少女マンガが原作ということで、まあそういうストーリーなんだろうなあ、と肩の力を抜いて見に行きましたが、そういうお話でした。
場面展開もストーリー仕立ても独特な少女マンガフィーリングです。それに耐え忍ぶことによって、はじめて何ごとかの感想を語り始められる映画です。
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主役の顔というのは重要です。映画そのものを決めてしまいます。
主役のステファニーの、映画俳優らしからぬ動… 続きを読む

引き出しの中の雑然とした夢 / 「ワンダーラスト」 マドンナ 【映画】

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果たして、この映画がマドンナ監督というのを完全に伏せていたならば、日本で見れたのだろうか?という疑問は最後まで払底できない。
インド人の子沢山で嫁には頭が上がらないインド系の薬局の主人。
SMのアルバイトをしている、ロシア系ミュージシャン。
バレリーナを目指しているショーパブの踊り子。
アフリカの飢えた子供を救うことを夢見る薬局のアルバイト。
詩を捨てた盲目の詩人。
堕ちこんだ世界から仰ぎ見る視線は様々だが、どうにもこうに… 続きを読む

戦闘シーンは完璧です・・が / 「戦場のレクイエム 」 フォン・シャオガン  【映画】

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ようするに、国共内戦でがんばったのに、逃亡兵扱いされていて、戦死者扱いされてもらえなかったのが悔しかった・・・という話です。
日本でいうと、遺族年金支給されないし、靖国神社にも祀られない兵隊さんの話というところでしょうか。
ひたすら前半は戦闘シーン。
後半は、投降してきた兵士を許さなかったレベルの知性の荒くれ連隊長が、名誉回復していくストーリーです。
俺らはラッパが聞こえるまで、とがんばりま… 続きを読む

こういうムスリムの書き方にはうんざり / 「ワールド・オブ・ライズ」 リドリー・スコット 【映画】

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「イスラム原理主義者は、ムスリムの教えを信じるものか、異端として排除するかのどちらかだ」というようなセリフが出てくるんですが、もともとイスラム経は、キリスト教やユダヤ教を同じ神をもつものとして、それなりに尊重しているし、その信仰をやめさせるようなことはありえない。
そんなのは初歩の初歩で、ちょっとでもイスラム教やアラブの歴史を知っていれば、そんなセリフはつくれない。
モハメッドを最後まで保護したおじさんはキリスト… 続きを読む

贅沢な映画ファンのためのメタ映画 / 「その男ヴァン・ダム」 マブルク・エル・メクリ 【映画】

◇「その男、ヴァンダム」公式サイト
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作品冒頭、いきなりワン・ショットのものすごい戦闘シーンが出てくるんですけど、それが撮影だったというオチで、あげくに、英語が話せない中国人?監督から、ダメだしされる・・・というところからはじまるんですが、これがまた本格的なんですよね。
ここで単なるパロディ映画じゃねーぞ、これ!といきなりやられるわけです。
ミソなのは、映画自体はコメディ仕立てで… 続きを読む

なるほど、夜の話ならジョニー・トーということですね / 「僕は君のために蝶になる」 ジョニー・トー 【映画】

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成就しない恋愛のまま、不幸にもその相手を失って、精神を病む主人公の司法修士生の心の葛藤をめぐる物語。
幽霊になって現れるその元カレとの不思議な「体験」がおおよそのあらすじだが、恋愛映画としては荒唐無稽になりそうな話を、カレの復活した分身のように、不幸な物語を反復していくチンピラの筋立てと、陰影を大事に取り扱ったカメラワークが救っている。
なるほど、幽霊の話だから、… 続きを読む

人畜無害なマカロニ・コンバット / 「チェ 28歳の革命」 【映画】

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◇「チェ 28歳の革命」公式サイト
そもそも、二本立て上映(別料金)の映画で、予告編が終わった後に、電通とか博報堂とかインデックスとかUSENとかギャガだとかのロゴが大写しになると、これからの上映時間に不安をおぼえて、そして、その予感はほとんど外れたことはない。
この映画もそのまんまでした。
キューバの山中のゲリラ戦シーンに、そのキューバ革命前後のシーンが… 続きを読む

テレビならばこれぐらいですね / 「TOKYO JOE マフィアを売った男」 【映画】

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「シカゴマフィアを壊滅に追い込んだ日系人」”TOKYO JOE”をめぐる人々のインタビューから構成される形式のドキュメンタリー。
ていうかー、この人ただ単に、組織に追われて怖くなってチンコロ(タレコミ)したってだけですよね。
決して英雄ではありません。
微妙な問題ですね。その微妙なところをスクリーンに映し出し… 続きを読む

ノワール映画とは光と影のフィルムのことで・・・ / 「バンク・ジョブ」 【映画】

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イギリスの実在の泥棒を取り扱った映画で、セミ・ドキュメンタリーというわけなんでしょうが、筋立て事体が事実に基づくとすれば、この映画はこじんまりとアクション映画とおしゃれなクライム・サスペンスの真ん中に位置取り、それがなんだか中途半端。
俳優も脚本も映像も、どれも今ひとつパッとしないまま終始する。
事実に基づく映画というならば、もっとキャスティ… 続きを読む

思想が狂気に転化する瞬間 / 「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」 若松孝二 【映画】 

◇Wikipedia「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」
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下北沢のミニ・シアターで観る。
街中のティーンや大学生が集まる雑踏を通り過ぎて、角を曲がったところの小さなスクリーンの前に集まっていたのは、初老と思しき中高年の姿ばかり。
ほとんど再現フィルム仕立てのドキュメンタリーに近い映画のつくりで、映像の向こうから、「目をそらすなかれ」という声が絶えず聴こえてくるようだった。
思想が狂気に転化… 続きを読む

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