「戦火のかなた」 ロベルト・ロッセリーニ / ネオリアリズモの代表的作品

◇「戦火のかなた」 ロベルト・ロッセリーニ
1946年のイタリア作品。ネオリアリズモの代表的作品のひとつとされる。
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6つのエピソードにて、第二次世界大戦のイタリア・シチリア島への上陸作戦から連合軍によるファシスト政権からの「解放」の足跡をたどりつつ、リアルな銃後のイタリア人の姿を描きだす。たんたんとショート・エピソードを羅列するスタイルも、物語的な過剰さを拒否して、シンプルで潔い。
シチリア島に上陸した米兵と言葉の通じない現地娘のささやかな交流と二人のあっけない死。
黒人兵がみた、盗みを働くイタリア少年の現実。
娼婦に身をおとしたローマの娘の米兵への悲恋。
フィレンチェのパルチザンの戦いの中で恋人を探す連合軍の看護婦。
カトリックの修道院にやってきた米兵のユダヤ教徒とプロテスタントを迎える滑稽な一夜。
北イタリアの連合軍特殊部隊とパルチザンの共闘。終戦まであと少しのところで、彼ら
は囚われて残酷な死の結末をむかえる。
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イタリア人の少年と黒人米兵の交流のテーマは、スパイク・リーが「セントアンナの奇跡」で、さらにイマジネーションをふくらまして物語化していましたね。
古典というものは、時として退屈なものなのだが、この映画はそういう苦痛みたいなものをほとんど感じることはなし。
驚くべきは、終戦後わずか1年ぐらいでこういうリアリティにあふれた映画が成立していることである。
現地ロケ、即興演出、素人俳優といった、後のヌーヴェル・ヴァーグにまで影響を与える映画のスタイルも見事にこの映画の撮られた時代とテーマにぴたりとはまっている。
渋谷シネマ・ヴェーラの「映画史上の名作3」にて観賞。
古い映画なのでフィルムの劣化はつらいものの、ありがたく観させてもらいました。
いつも勉強させてもらっております。

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