奇妙に美しい脱臼したサスペンス / 「Bubble/バブル」 スティーブン・ソダーバーグ

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◇『Bubble/バブル』作品情報
アメリカの田舎町でおこる殺人事件のお話です。
嫉妬とちょっした怨恨で犯行におよぶ中年女性を、たんたんと映し出していきます。
そしてそれだけの物語です。
サスペンス仕立てでもなく、これがまたあっけなく筋が展開されます。
演技を抑えた役者が3人、親の介護に明け暮れる中年独身女性と人ごみ恐怖症のシャイな若者、わがままで手くせが悪いシングル・マザーを演じて、そしてあっけなく終わっていく。
まるでストーリーが脱臼してしまったかのようにクライマックスもなにもありません。
独身中年女性が若者によせる淡い愛情が激発してしまったということ以外に、見出せるクライマックスはなく、これもまた軟体動物の感触のように奇妙なものです。
ポイントは、このストーリーが、人形工場を舞台としているところでしょうか。
派手なものは一切ない代わりに、撮影の腕前、ビジュアルセンスの良さがこれ見よがしに続いていきます。
それが、この工場で四肢がバラバラになって、まるで死体のように並べられた人形の「部品」の残酷さに焦点があって、最後に映画は終わるのです。
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監督・撮影・編集がスティーブン・ソダーバーグ。いまどき珍しい1時間弱の小品の凄みを感じさせるパワーをもっています。
とはいえ、実験作の範疇にとどまるまでの作品としてしまうこともできるでしょうが。
なんとも不思議な余韻を残す映画でした。

この予告篇もすごいですね、なんだか。
FWF評価:☆☆☆★★

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