フェザー級の演技 / 「フロスト×ニクソン」 ロン・ハワード

◇「フロスト×ニクソン」公式サイト
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元大統領とトークショーのホストという不釣合いな二人によって、一対一の言葉による応酬となり、ボクシングに見立てられてながら、真実を暴いていくという仕掛けは、なかなか面白いのだが、いかんせん肝心のボクサーがイモなので、まったく緊迫感が伝わってこない。… 続きを読む

タイトルの中の「自由」の意味 / 「この自由な世界で」 ケン・ローチ 【映画】

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西成でも山谷でも、ドヤ街の日雇い労働者を支配しているのは手配師だ。
だから、何かコトが起これば、真っ先につるし上げられるのも彼らである。彼らは日雇いの労働者からかすめとったカネで生活しているからだ。… 続きを読む

『我は知る、テロリストのかなしき心を』 / 「麦の穂をゆらす風」 ケン・ローチ 【映画】

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第一次世界大戦を前後するアイルランド独立戦争と内戦、そして現在に至るまでのアイルランド共和国軍(IRA)の成立の内部を描く映画。
形式上の独立・・・しかし現実を理解しながら妥協の中でそれを勝ち取りながら、なおも社会的な矛盾(貧困をはじめとする社会問題)の解決を考えて、闘争を続けることを選んだゆえに、昨日まで共に理想をわかちあっていたはずのものと殺いに転化する有様。理想を求めたものの戦いは、「テロ」と名づけられながら、つい最近まで続いていた。… 続きを読む

大人と子供の境界線 / 「SWEET SIXTEEN」 ケン・ローチ 【映画】

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エディプス・コンプレックス(母親に対する少年の独占意識と父親へ対する敵対感情)がひとつの軸。
そこにチンケなガキのシノギから一線を越えて、大人の仲間入りをしはじめる15歳の光景が描かれ、そして16歳の誕生日に、すべてを知ることになるストーリ-テリングがからみつく。… 続きを読む

歴史マンガシリーズなみ / 「ワルキューレ」 ブライアン・シンガー 【映画】

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血気盛んな青年将校のヒトラー政権転覆話・・・ってところまででしょうか。
実話を忠実に再現するのに忙しく、人間の描き方粗雑になってしまって、あれだけのことを成し遂げようとした人間の深さや苦悩が伝わってこない。… 続きを読む

レーニンの帝国主義論のリバイバル? / 「ザ・バンク 堕ちた巨像」 【映画】

◇「ザ・バンク 堕ちた巨像」公式サイト
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単に資金の貸し借りや両替業務を生業としていた銀行が、金融資本として巨大なパワーを持つと、国家や産業と癒着して、戦争を巻き起こす・・・・これが、かなりおおざっぱですが、レーニンの「帝国主義論」(1917)のシナリオ。… 続きを読む

テーマパークの泥の河 / 「泥の河」 小栗康平 【映画】

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水面に黒い影を浮かび上がらせる「お化け鯉」。
燃える蟹、厚塗りの化粧の加賀まり子演じるの母親、被差別の水上生活者の暮らしの暗部が、このお化け鯉に象徴されているストーリーテリングの中で浮かび上がる仕掛け・・・・なのだが、この映画、二度目に見ても何かしっくりこない。… 続きを読む

難しく考えないで観たほうがよいドラマ / 「シリアの花嫁」 エラン・リクリス 【映画】

◇「シリアの花嫁」公式サイト
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映画のあらすじを観た段階では、この映画はてっきりイスラエル側ではなく、シリアなりのイスラム系(またはアラブ系キリスト教徒)がつくったものかと思い込んでたんですが、これってイスラエルの映画協会?か何かが資本出してつくっている映画なんですね。… 続きを読む

ファンタジーの結論へのもやもや感 / 「懺悔」 テンギズ・アブラゼ 【映画】

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ファンタジーの意匠をこらした非常に不思議な映画でありました。
映画館を出て、それで考える。家に帰って反芻する。翌日も消化しきれないものが澱のように残る。そういう映画のひとつであることは間違いなしです、が・・・。… 続きを読む

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