カテゴリー: 映画評

新感覚で登場する文太ギャング「横浜暗黒街 マシンガンの竜」

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横浜暗黒街 マシンガンの竜 - goo 映画
東映ヤクザ実録モノ路線の跋扈の中、佐藤純彌等の助監督を経た岡本明久監督の監督第一作もヤクザ路線。
ただしこちらはいわゆる愚連隊。
キャッチコピーは「野太いダンディ。新感覚で登場する文太ギャング」
初陣作にしては菅原文太のみならず、千葉真一、小池朝雄、葉山良二、など、ちょっと豪華ですね。こいつを新人として強烈にデビューさせてやろうという東映のやる気が感じられます。… 続きを読む

ランボーと化したウォン・ビン/ 「アジョシ」

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◇「アジョシ」公式サイト
社会の底辺に住んでいるワケありヒーローが、たったひとりで連れされたものを助けに向かう。
そういう定型物語なのであるので、ウォン・ビンが破天荒に強すぎるのには目をつぶろう。
特殊部隊あがりでよるすべを持たない存在感は秀逸でよろしいから、その対比にここまで現実離れしたアクションシーンは必要ないとも思うのだが、まあアクション大作の線を狙うには仕方ないのかな、とも。
まあそれにしてもこれじゃあランボーですよ(笑)… 続きを読む

「牛乳屋フランキー」中平康

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1956年の日活作品。
中平康は「狂った果実」でこの年に実質的な監督デビューをしており、その大ヒットを受けた新鋭の監督として作品を量産をはじめる。
この監督の偉いところは、「狂った果実」がトリュフォーに絶賛されるなどしながらも、ハナっからそんな評価は洒落臭いと相手にしなかったところであると勝手に自分は思っている。
「狂った果実」でスピーディーなカット割りが揶揄されると、次作「夏の嵐」では静的なカットで作品を構成し、さらにはその次には本作「牛乳屋フランキー」でベタベタなスラップスティックコメディに挑む。… 続きを読む

「探偵はBARにいる」キャスティングが良かっただけに・・・

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「探偵はBARにいる」公式サイト
大泉洋が強すぎるのがこの映画の最大の難点。
これだけ強ければ、お話なんかなんとでもなりますよ。筋もへったくれもなく、いざとなったら主人公がスーパーマンな活躍しちゃえば、どんな難局もくぐり抜けられる。
けど、それじゃあ映画はつまらない。
先行する世界の映画の中の探偵さんは、それぞれですけど、こんだけはちゃめちゃに強い探偵さんって珍しいのでは(笑)香港映画じゃないんだしねえ。ケンカは弱くてもアタマが切れて、度胸と知恵と経験と、そしてときにはトンチやお笑いでくぐり抜けていくのがいいんじゃないですかね。… 続きを読む

ミニチュアでつくられたロックンロール童話/ 「ストリート・オブ・ファイヤー」 ウォルター・ヒル

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スクリーンで観るのははじめてなこの映画。流行りましたよねー。ああ懐かしき80年代。
MTV隆盛期につくられたこの映画。
Dan Hartmanの”I Can Dream About You” や”Tonight Is What It Means To Be Young” が流れるだけで、「ベストヒットUSA」や「ソニーミュージックTV」を思い出します。

そんな曲を劇場の音響で、凝った照明のステージシーンとともに観れたので、つかのまの幸せ感を得ることが出来ました。午前十時の映画祭バンザイ!… 続きを読む

異形のホームドラマ「おとうと」(1960) 市川昆

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おとうと(’60) - goo 映画
この1960年市川昆監督の作品、宮川一夫カメラマンによる「銀残し」の手法がはじめて使われた映画として有名。
自分もそのへんをまずは期待して神保町シアターにでかけたのであるのだが、このフィルムがフィルムの劣化が激しく、すこし残念な思いをした。
といっても、赤みがかったモノクロにまだらに色がついたこの映像を最初はこれが最初の「銀残し」なのかとキツネにつままれたように観ていたのだが、さすがに途中からフィルムの劣化によるものと気づき始めた。… 続きを読む

「ショウほど素敵な商売はない」ウォルター・ラング

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午前十時の映画祭の醍醐味は、やはりスクリーンの暗闇であんな名作こんな傑作を次から次へと観ることができることでしょう。
マリリン・モンローは初期の端役作品以外は全作観ている自分も、やはりスクリーンで観なければいかんという義務感があります。DVDじゃあダメなんです。BLUE RAYでも同じことです。
そして午前十時の映画祭にて「お熱いのがお好き」を観ることが出来、マリリン・モンローの映画そのものをぶち壊しにしかねないモンスター性を、スクリーンから3Dで飛び出してくるような迫力とともに確認したのが前週。… 続きを読む

「エッセンシャルキリング」イェジー・スコリモフスキと「127時間」「ゴーストライター」

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スコリモフスキーの監督復帰後の二作目。
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前作「アンナも過ごした四日間」と本作「エッセンシャルキリング」の物語構造はほとんど同じ。
無垢な人間が獰猛に転じていく、奇妙な必然を巡るもの。
システムから弾き出された弱者が陰鬱な雪が降りしきる北国で追い詰められいくサスペンス仕立てなのも同じ。
雪の中、女の家への闖入という一種の儀式も同じ。
たぶん次作もこのテーマとなると思う。
それにしてもよく出来ている。
砂漠のデザートイエローの世界から、拷問まかりとおる「テロリスト」の収容所から、一点して雪国のシーンへの遷移。これがまた印象的なカラーの転換。… 続きを読む

黒人も白人もナカムラさんも王さんもOK / 「風吹く良き日」イ・ジョンホ

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「風吹く良き日」公式サイト
朴正煕政権時代の高度成長がピークに差し掛かった頃、その軍事独裁政権は大統領の暗殺により終わり、自由な表現が多少なりとも許されようになった。
すでに70年代から韓国映画の復興をめざして、現代の市井の風俗の中で活き活きとした登場人物が活躍する映画をつくってきた「映像時代」グループの中でも、本作の監督イ・チャンホは中心的人物のひとりとされている。
だが、そのイ・チャンホが逮捕され(直接の容疑は大麻)、映画活動を禁止された4年間のブランクから復帰した第一作がこの作品。… 続きを読む

よく出来たジェットコースター昼メロ:「ハウスメイド」イム・サンス

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2009年のわたくしのベスト1映画は「母なる証明」で、2010年は「息もできない」。
韓国勢2連覇となったおりますが、まあ本当に近年の韓国映画は良作・傑作を量産している。
フジの韓国ドラマ押しに突っかかっているナショナリストの皆さまには悪いのですが、自分はいいものはイイ!の原則論を微動だにさせず映画を観続けたいと思っております。
韓流ドラマやアイドルを駆逐したいなら、いいものつくればいいだけじゃんという話です。… 続きを読む

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