正統派カルト映画の熱血にやられた! 「CUT」 アミール・ナデリ

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◇「CUT」公式サイト
この映画「CUT」の基本思想は、「シネコンで流れているクソ映画」「映画は売春婦じゃない」「カネ儲け主義のクソ野郎から映画を取り戻す」。そして朗々と殴り続けられる主人公の映像に、短くカットインされる珠玉の名作100本。
もう手放しでおまえ(監督)に賛成したくなる主張に、映画館内で久々に興奮いたしました(笑)
もちろんこんな映画純粋芸術論は無茶苦茶なわけですよ。
映画は最初から芸術ではなかったわけです。出自はエンターテインメントで興行とか見世物でした。今でもそうです。
しかし、明らかにそれとは違った考え方をした人々もいたわけです。傍から見れば異様で強烈な映画愛の魂。黒澤も溝口もそういう人たちでした。(小津はちょっと違うかな)
もちろんもっと現実主義的なエンターテインメントを目指した人たちがたくさんいたのも確かでしょう。
直接、その芸術至上主義そのものが作品の優劣を決定するものではありませんし。
だから自分がシネコンで映画を観て楽しんでいる人に、「シネコンで上映されているクソ映画」とぶつけられても、そりゃ困るわけですし、この映画の主張は受け入れられないでしょうね(笑)
この映画はそういう意味でカルト映画です。正しくカルト。徹底的な反動性を痛快として楽しむ映画です。
注釈すれば、熱心で狂信的なファンに持ち上げられているという意味でもカルトですが、なんといっても映画カルトについて語った映画にたっぷりと反動性があるわけです。
だから、この映画の中の主人公の主張に共鳴できないとプンスカされても、それは例えば「ピンクフラミング」で主人公ディバインが犬のクソを食べるのに共感できないとするぐらいに、カルトに対する正しい対応ができていないことになります(笑)
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強烈な映画マニアのレクイエムです。
無茶苦茶するぎ主張に暴走する行動。もうね、なんつーか共感しまくり(笑)
しかし、まあよくよく考えても観れば、あれ単に監督の映画ベスト100の発表の場ともいえる映画ですね(笑)
誰にもオススメ出来ない映画ですよ。しかし、変に愛おしい。
屋上でやっている自主上映会「シネフィル東京」にも行ってみたい、というかアレをやりたくなる(笑)
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ひとつだけ文句があるとしたら、映画に出てくる自主上映会のシーンの「シネフィル」はあんなリア充風じゃないわな(笑)
カップルやおしゃれな学生風はあんな名画上映会にはなかなかいません。皆、思いつめて修道僧のようにストイックな方々ばかりで、殺伐としています。それがまたよろしい(笑)

このような偏見と反動に満たされた映画を応援する気持ちで(笑)楽しまさせてもらいました!
映画に出てきた名作100本もリストアップしたい欲望も。なんとも楽しい話ですわー(笑)
FWF評価:☆☆☆☆★

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