◇「スラムドッグ$ミリオネア」公式サイト
PCがうまく起動しなくなって困った末に、DELLのサポートセンターに電話したときがありました。
ひととおりこちらの症状を話すと、ちょっと東北なまりっぽいイントネーションで、それではカバーを開けてください、という指示。
いきなりそう来たか!と、おおよそ1時間弱の電話でのやりとりで無事PCは復旧。
スゲーなーと思いつつ、一時間ほどつきあってくれた電話の向こうの人のなまりが気になったので、どこにつながっているのか聞いてみたら、それは大連とのこと。
大連って中国の大連です。いやはや、世の中グローバルにビジネスは成立しているものだなあと思いましたよ。
この映画のコールセンターシーンで、そんなシーンが出てきました。
「どこからかけてきているのか?」とイギリスからかけてきている顧客に聞かれて、適当な湖の名前から地名をでっちあげたりするんですが。
さて、この映画の筋まわしのポイントは、
・主人公が貧民出身のみならず、インドでは迫害される少数派のイスラム教徒だったこと
・貧民の出の男のコがコールセンターでお茶くみ・・というような現代インドのいびつな発展を描写しているところ
・なによりも、インドでクイズ・ミリオネア!
ここが新鮮なポイントで、その設定をとってしまうと、ともすれば陳腐に陥りがちな、社会的弱者の恋愛譚になってしまうのかな。けれど、それを補ってあまりある、設定の面白さがありました。
現代インドの経済的な複雑さ。一方の経済的な繁栄と貧富の差。グローバルなテレビ番組がインドでも人気な意外性。
ボリウッド的な恋愛物語のテイストもおりまぜながら、「すべては書かれている=運命である」という世界観を逆手にとった結末の作り方。まあ、気の利いた脚本ですよ、これは。
物語のスピード感も楽しく、出てくる役者も魅力的。特に子役は抜群ですね。
もちろん、この映画をインドの人が観たら、なんじゃこりゃってムリもありそうですが、まあ仕方ないでしょう(笑)
最後にボリウッド定番のエンディングで示唆するように、これはハッピーエンドじゃなければダメなお話なんです。そして、クレーバーな設定を、なるほど、なるほどと受け取る映画かな。カメラはフィルムじゃないと思いますが、逆にインドっぽいキッチュな色彩感覚を強調するのによかったのではないでしょうか。
楽しめました。女のコもかわいかったしね。
FWF評価: ☆☆☆☆
DELLのサポートセンターに電話したら・・ / 「スラムドッグ$ミリオネア」 ダニー・ボイル 【映画】
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