もし君にレイシストの友達がいるなら・・・ 日本のネオナチシンパの極右民族主義バンドとTHE OPPRESSED の来日中止について

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先日にこちらで書いたOi!パンクバンドのTHE OPPRESSEDの来日が中止になったことが主催者から発表されました。

【THE OPPRESSED来日公演中止のお知らせ】

9月20日(日)新宿アンチノックで予定しておりましたジ・オプレスト来日公演は中止となりました。来日公演を楽しみにしていた皆様、ならびに関係者の皆様に大変ご迷惑をお掛けしました事を深くお詫び申し上げます。 今回、公演が中止となった経緯は、アンガーフレアーズが6月28日(日)浜松ジーサイドで開催する「ブートストンプ・ナイト」でアグロナックルと共演する事が原因です。ジ・オプレストのロディー氏からナチ・バンドを支持するなら来日はできないと連絡が入った。ロディー氏は世界的にS.H.A.R.P(シャープ/反ナチ)の親玉としても有名です。しかし、私がアグロナックルとの交友関係やショーを取りやめる気持ちがない事を伝え今回の公演中止に至りました。

【THE OPPRESSED来日公演中止のお知らせ】(※現在は削除されています 2021/10/17)

 

どうやら、ジ・オプレストがネオナチシンパと目されるこの日本のスキンズである「アグロナックル (Aggroknuckle)」の存在を知っていたらしく、これまたよく調べあげたことに、自分たちの対バンにそのネオナチシンパと共演するバンドがあるということを察知。それで「そんな奴らと一緒にステージでやってられっか」ということになったということらしい。

 

 

Oi!パンクやスキンズの業界に詳しくなく、ましてや日本のシーンなどから遠いところにいる自分だから、このアグロナックルというバンドについても初めて知った。彼らの音楽も聴いたこともなければ、そのリリックも関知してないので、直接このバンドの論評は避けたい。 が、やはりこの背景だけはまとめておきたい。

アグロナックルは影響を受けたバンドやアプローチは違えど、彼らのサウンドは素晴らしく友人としてはもちろん、バンドとしてもリスペクトしている。海外の 某バンドとスプリットをリリースした事で世界的にアグロナックル=ナチ・バンドと知れ渡ったが、彼らは人種差別はしないし、海外のインタビューでも自らナ チ・バンドではないと公言している。

【THE OPPRESSED来日公演中止のお知らせ】

 

この『海外でのインタビューでも自らナチ・バンドでないと公言している』というのが気になったので調べてみた。 まずは和訳。アグロナックルのFB公式アカウント(※現在は削除 2021/10/17)より。

 

私はレイシストではないので、差別はしません。しかし、区別は必要だと考えています。

当たり前ですが、私達にも貴方方にも、それぞれに誇るべき文化と伝統、歴史があります。 互いを理解し、尊重し合えることが大切です。しかし、何もかもをお互いの常識で同じに考えるのは危険です。だからこそ区別は必要であり、それは差別とは異なります。 私も貴方方と同様、自身の肌の色に、我国の文化と歴史に、誇りを持っています。

(中略)

日本に所謂WP(※筆者注:白人至上主義者)で知られるバンドを呼ぶことや、彼らとSplit(※筆者注:「共演」のこと)をやることに対しては、国内外から少なからず反発もありました。 しかし、私達とBFG(アグロナックルとカップリングのアルバムを出したアメリカのネオナチバンド “Bound for glory“のこと)には何の問題もありませんでした。 なぜなら、なにも私達は血を混ぜようというのではなく、これは日本人である私達とBFG、それぞれの100% Identityの話だったからです。

私は肌の色が違ってもナショナリストである以上、根底に在るものは同じだと考えています。 勿論、それぞれの文化や取り巻く環境によって全てが同じだとは言い切れないわけですし、先述したように、そう言った意味での区別は必要だと考えています。 敬意を持って相手に接し、違いを認め、理解することから、自らの主張も本当の意味での説得力を持つのです。

なにも私は人類は皆兄弟、手を取り合い仲良くしよう、というようなことを言っているわけではありません。 私達日本人には侍の理念である武士道、勇猛果敢に戦った先人達の教えが脈々と息づいています。 それが私達の、日本人としての存在意義であり、譲れない確固たる信念なのです。

これを読んで、アチャーとなったのは自分だけではないと思う。 「差別ではない、区別である」というフレーズは、白人至上主義のレイシストがいつも使うレトリック。このインタビューでは、その他もナショナリスト発言がいろいろとあり、さらには次のような発言がある。

-日本には、ANTIFAのクズやSHARPはいるのでしょうか?もしそうなら、この種の人々は何か問題を起こしているのでしょうか?

ANTIFAと呼ばれる様な所謂左翼的活動者は居ます。 REDSKIN(筆者注:左派のスキンズのこと)の様な連中も居ますが、その両者共に核心部分に迫る程の思想も感じられません。 時としてその様な間違った認識の活動が世界に発信され、日本がそういったイメージで海外に受け取られる事は私達の本意ではありませんが、真意をしっかり見定めればそれが如何に本来の日本人の姿からかけ離れたものであるかという事は容易に理解出来るはずです。

「本来の日本人の姿」って何よ(笑) 勝手に決めるなよ・・・とネトウヨの皆さんへいつも突っ込みを入れるように思ったわけですが、それはここではスルーしておきましょう。

ほう、なになに、日本のANTIFAには「思想が感じられません」ですか(笑)

これもひとまずスルーしておくとして、さらに問題なのはこのインタビューが掲載されたWeb Magazine “Hail the New Dawn”

もうすでにその白人至上主義の極右バンドスクリュードライバーのアルバムからとったの名称からして嫌な予感がするわけですが、サイトを見に行ったら、もうこれがね・・・

 

FireShot Screen Capture #007 - 'Hail The New Dawn_ Aggroknuckle interview' - hailthenewdawn_blogspot_be_2014_11_aggroknuckle-interview_html

 

誰がどう見てもネオナチ様のサイトですよ・・・

しかもウェブマガジンって言ってもフリーのブログサービスだし、デザインもしょうもない、よくあるアングラのネオナチサイトですわ。 こんなとこで、インタビューに答えていたら、ネオナチとみなされるのは当たり前でしょう。 まあ本人たちがオレたちはレイシストではないと否定しているわけですから、それはここではいったん受け取ることにしても、ようするにネオナチシンパの極右民族主義のバンドだということは、アグロナックルご本人たちも否定しないでしょう。

 

FireShot Screen Capture #008 - 'AGGRO KNUCKLE - Google+' - plus_google_com_103865650126755115757_posts

このアグロナックルのGoogleアカウント(※現在は閉鎖されてます) に使われていたりする画像もナチ丸出しですし。 ちなみに、このナチの骸骨のヘルメットについている「28」というのは、白人至上主義の極右たちの有名な暗語で「Blood and Honour (血と誇り)」を意味します。世界でも日本人のネオナチバンドとしても知られているというのもわかります。

そもそも、このような白人至上主義の極右やネオナチと戦うことで生まれたのが、SHARPであるということは先にふれたとおりです。こういうのとつるんでいる連中とはお付き合いできないというのは、反レイシズムからすれば当たり前のこと。

 

もし君にレイシストの友達がいるなら

今がその時だ

今がその時さ

その友情は君のために終わらせたほうがいい

The Specials – Racist Friend

 

SHARPの反レイシズムの活動は、日本など比較にならないほどハードだと思う。体を張って彼らはその主張を広げようとしているわけで、そこには日々戦いがあるはずですよ。 それに対して主催のBOOTSTOMPは次のように述べている。

海外から見ると日本のスキンヘッド・シーンは少し特殊かも知れない。もちろん全てではないが、白か黒だけではなくグレーがあるのも日本人の良さだと思って ます。実際、海外での人種差別は社会問題になるほどで、それに比べると日本はまだ認識が甘いのかも知れない。文化の違いで海外では当たり前の事もこの国で は当たり前ではない。日本で生きている以上、日本人としての考え方やスタンスを変えるつもりはありません。それは来日するアーティストに対しても同じで す。ただ、反レイシズム、反ファシズムの姿勢も変わりません。そして、私の友人に人種差別をする人は一人もいません。

【THE OPPRESSED来日公演中止のお知らせ】

 

 

ご本人が自覚されているように相当に認識が甘いなあと思います。 日本人であれば白人至上主義の主張にシンパシーを抱いていることを許容して許されるというのは、全く通用しない話ですよ。自分も理解できない。そして、レイシストの白人至上主義と戦っているバンドなら、もっと理解できないでしょう。

 

個人的にバンドは思想を広めるための手段ではなく、あくまでもパンクロックを貫く生き様である事に今後も変わりはありません。

「パンクロックを貫く生き様」、大いに結構でしょう。しかし彼らの思想を知っておきながらグレーでOKというのは、それはそれでSHARPとジ・オプレストの主張を単なるファッションとして受け取っているということではないですかね。パンクロックも思想もファッションではないんですよね?

はたしてジ・オプレストがどういういう経緯で、対バンの相手が日本の極右民族主義者のバンドと共演したことがあると把握したのかはわかりせん。事前に調べていたのかも知れません。

彼らはファッションではないのです。そして、いったいグレーでOKと言っている人とオプレストと、どっちが「パンクロックを貫く生き様」なのか、それは言うまでもないでしょう。

 

 

そんなわけで前売り買ってましたがチケット払い戻させていただきます。

BOOTSTOMPさん、よろしくお願いしますね。

 

それにしても日本人のナチシンパとか本当にどうなんだろといつも思いますが、そのへんはコチラにて書きましたのでご参考に。

 

 

コメント

  1. […] 追記: この来日公演は、その後中止になりました。その経緯と背景についてはコチラで。 […]

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