初期のOi!パンクバンドにて、スキンヘッズのアンチ・ファシスト運動”SHARP”(Skinheads Against Racial Prejudice -人種的偏見に対抗するスキンヘッズ運動-)の中心的存在であるThe Oppressedが今年9月に来日が決定!とのこと。
イギリスのスキンヘッズというと、自分は長い間、右翼的かつレイシストな人達だと思っていました。実際、そういう人も多数いたわけですが、このへんはいろいろ事情もあるようです。
スキンヘッズ文化は1960年代に発生したが、もともとはモッズやジャマイカ派生のルードボーイの文化から多大な影響を受け、スカやソウルミュージックを好んできた。イギリスで、パキスタン人への攻撃(パキスタン人のみならず南アジアからの移民全般への無差別暴力)が始まった頃も、スキンヘッズの中にはそれに関わる人もいた(その中には黒人のスキンヘッズまでもが存在した)が、それは60年代には組織化されたものではなかった。
しかし1970年代後半のスキンヘッズの第二世代には、かなりの数の右翼の白人が入り込んでおり、 「国民戦線」、「ブリッテイッシュ・ムーブメント」、 「反共産主義ロック運動」、80年代後半には「血と栄誉」などの右派の組織が介入していた。そのためにメディアはスキンヘッズはファシストだとみなして他の国まで、そのような理解がされるようになった。
wikipedia “Skinheads Against Racial Prejudice“
実際、ドイツのネオナチムーブメントでスキンヘッズが果たした役割というのは切っても切れない関係だったり、イギリスにしてもそれは実際は変わりません。
そんな中で、スキンヘッズのカルチャーというのは、そもそもそういうもんじゃないよということで、ニューヨークのスキンヘッズから始まったのが”SHARP”(Skinheads Against Racial Prejudice -人種的偏見に対抗するスキンヘッズ運動-)なわけです。
もともと別に組織でもなんでもないこのSHARPですが、これに感銘をうけてイギリスで”SHARP”の理念を広めようとしたのが、The Oppressedです。
・・・といって、偉そうに解説している風なんですが、自分がもともとスキンヘッズやOi! パンクにあまりいいイメージもってなかったので、完全にThe Oppressedは最近になって知っただけです。たぶんOi! パンク好きの方にはよく知られている話だと思います。
で、この反ファシズムのスキンヘッズ運動”SHARP”は、世界中に賛同者を集めて拡散していくわけですが、このひとつがLos Fastidiosというイタリアのバンド。The Oppressedのボーカルのモレノ自身も、ぶっちゃけカーディフ・シティFCのフーリガンだったわけですが、Los Fastidiosも自分にとって名曲である”Antifa Hooligans”を発表。 秋波を送ったのかなんだかわかりませんが、この曲に敬意を表してThe Oppressedは最近のアルバムでカバーまで出しております。
The Oppressed の”Hooligans”
Los Fastidiosの”Antifa Hooligans”
9月の来日記念に日本盤のベストも発売とのことです。
Tシャツと先行チケットがセットになっていたので、さっそく購入しました(笑)
見ろよ、奴らがやってくる
ブーツをはいて全身黒づくめこんな奴らが野放しかよナチのスキンヘッド
おまえら早く死んでくれ
こんな奴らが街でデモをしている
まるでナチのピエロ
墓場から蘇った奴らだ
まるで幽霊ナチのスキンヘッド
おまえら早く死んでくれThe Oppressed “Naziskinhead”
どいつを今日はヘイトしてやろうかと
パブで呑みながら差別でお楽しみ
おまえら後ろに気をつけろよ
そのうち俺たちがかましてやるぜ俺たちがナチの悪夢をぶっつぶす
ストリートに憎悪に満ちた奴らが徘徊している
今、こいつらを潰そう
明日では遅すぎる
今、こいつらを潰そう
ファシストのヘイトを止めよう自分たちが何をしているかすらわかっていない
そんな奴らがやってくる
どうすればいいのか、わかるだろ?俺たちがナチの悪夢をぶっつぶす
The Oppressed “Nazi Nightmare”
追記: この来日公演は、その後中止になりました。その経緯と背景についてはコチラで。
コメント
[…] 先日にこちらで書いたOi!パンクバンドのTHE OPPRESSEDの来日が中止になったとの報が主催者から発表されました。 […]