カテゴリー: 書評

帝国陸軍派閥抗争の理論的背景 / 「帝国陸軍の“改革と抵抗”」 黒野耐

◇「帝国陸軍の“改革と抵抗”」
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「帝国陸軍の“改革と抵抗”」は、日本陸軍のいわば国防思想の変遷を3人の人間(桂太郎・宇垣一成・石原莞爾)の「改革」から論じようとした本なのだが、なんだか知らないけど、この「改革」とやらを、小泉「改革」とムキになって重ね合わせようとして無理のある本だった。最近の新書ブームとやらで、こういうロクでもない本増えているのだろうか。… 続きを読む

天皇と東条英機の距離 / 「日本海軍の終戦工作」 纐纈厚

◇日本海軍の終戦工作―アジア太平洋戦争の再検証 纐纈厚
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日中戦争から第二次世界大戦に至るまでの外交政治政策を常にリードしてきたのが陸軍で苦渋の決断で太平洋戦争に突入した、というこれまでの通説を検証した書。… 続きを読む

現在形の敗因 / 日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 山本七平

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陸軍専任嘱託として太平洋戦争のフィリピンに赴任した技術者が、その捕虜体験の中で書き綴った「虜人日記
」を題材に、山本七平が語る日本論。
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日本がなぜ「敗れたのか」をこの書は取り扱ったのではない、日本が「なぜ敗れるのか」という現在形のタイトルがつけられていることに注意するべきである。… 続きを読む

敗戦までの「論理」を問い直す / 「戦争の日本近現代史」 加藤 陽子

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◇戦争の日本近現代史―東大式レッスン!征韓論から太平洋戦争まで

日清戦争以降の日本が、安全保障という理由から大陸に進出して、そしてそこから泥沼式に戦争が占領地を拡大し、そしてその占領地が摩擦を呼び、という繰り返しで泥沼に陥ったという流れは、一般的な理解だろう。… 続きを読む

投資の対象だった日露戦争 / 「日露戦争に投資した男―ユダヤ人銀行家の日記」 田端則重

日露戦争に投資した男―ユダヤ人銀行家の日記―(新潮新書)

日露戦争は、「第0次世界大戦」とまでいわれるほど、これまでの戦争スタイルとは違ったものであった。それは戦術や火器の進歩、さらには桁違いの死傷者数などはこれまでになかったものであったが、それとともに大きな違いがあったのは戦費である。… 続きを読む

アメリカの2つのエディプス神話の闇の奥 / 「スターウォーズ」と「地獄の黙示録」

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THX-1138 ディレクターズカット (字幕版)「地獄の黙示録」は、当初ジョージ・ルーカス監督のもとで撮られる予定だった。

当時、「THX-1138」という悪評紛々たるSF前衛映画をつくったばかりのルーカスは、その後始末に追われていた。ギャラの取り分で揉めている間に、所属する映画会社ゾアトロープの社長であるコッポラは、勝手に予算を集めて、フィリピンでその映画の撮影を開始してしまった。… 続きを読む

政治少年の倒錯、倒錯した政治少年 / 『美と共同体と東大紛争』三島由紀夫vs東大全共闘・『太陽と鉄』三島由紀夫

『美と共同体と東大闘争』 三島由紀夫vs東大全共闘
『太陽と鉄』 三島由紀夫

大阪の心斎橋、アメ村のあたりをうろちょろしていると、雑貨屋と本屋と半々になっている面白い店を発見する。… 続きを読む

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