カテゴリー: 映画評

「薄っぺらい逆張り」の批評を招き寄せる『シン・ゴジラ』そのものに映画の薄っぺらさは存在しないのか

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『シン・ゴジラ』が大変な好評のようで、日本映画でこんなにまでみなさんの話が弾むというのはとても良いことではないかと思います。

しかし、あまりにも熱狂的に迎えられているのが昂じて、この映画に少しでも疑義を唱えると、もはやネットではそれすなわち「逆張り」ということになってしまうようです。しかしまあ相変わらず庵野さん、吸引力ありますね。

 

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ダメな映画のダメな批評の仕方

 

映画を観続けてきてから長い。

年間で100本が自分としての目安で映画館に通い続けてきたけれど、ついに昨年にその記録が途絶えてしまった。残念である。今は自分の会社で仕事をしているわけだが、当初、そうすれば映画も観放題だわいなどと考えていたのだが、事態は全く逆で、フリーの時間=労働時間という現象に却って、映画に充てる時間がとれない。映画ファンとしては、たるんでいるだけなんだろうけれど。よくある脱サラ幻想のバリエーションのひとつといえるかもしれない。… 続きを読む

ナチスは「親日的」だったのか? -日独合作映画『新しき土』と翻訳されなかった『わが闘争』

ナチスは親日的だった?

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同盟国であり、ともに敗戦国であったからという理由から、ナチスドイツに対するシンパシーのような空気が一部に存在する。

その彼らが言うには、「ナチスは親日的だった」そうである。

だが、これは欧州のディプロマシーの中のプロパガンダをナイーブに信じ込んでしまった結果に過ぎない。現実はもっと複雑であり、ナチスの思想はもっと残酷であった。

 


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黒澤明とハリウッド -「トラ・トラ・トラ!」その謎のすべて

黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて (文春文庫)

日本の映画史に残るスキャンダルのひとつ、黒澤明が「総監督」予定であった映画「トラ・トラ・トラ!」の監督降板事件について、丹念にまとめたドキュメント。

これまで黒澤明に近かった白井佳夫氏がおずおずと「真相」を語ってきたわけで、黒澤流を知らなかった東映太秦で撮影したのが間違いだった・・・というような弁護めいた話が説得力をもって語られてきたわけだが、この本はスゴイ!

「黒澤天皇」と言われていたこの人、天皇というより専制君主的。強烈な芸術家気質で映画をつくってきた人ではあったのだが、トラトラトラの撮影始まってからの黒澤明は、そんなレベルではない。どちらかというとコントの世界に近い。… 続きを読む

“Mishima: A Life In Four Chapters”について

Mishima - A Life in Four Chapters
 

永らく解説文を読むことによってのみ知っていた映画を見ることがついにできた。

ポール・シュレイダーの“Mishima:A Life in Four Chapters”である。
三島の資料をかたっぱしから封印していたことで知られる三島未亡人と、その意をうけた「右翼」の抗議もあって、日本では劇場公開されなかったばかりかビデオやDVDでも日本では封印されていたといういわくつきの作品である。… 続きを読む

『はだしのゲン』に対する批判への反論(1)「原爆が戦争を終わらせた」というセリフについて

『はだしのゲン』が島根県松江市の学校から閉架処置となったとのニュースが話題になっています。
FireShot Screen Capture #109 - 朝日新聞デジタル:「はだしのゲン」閲覧を制限 松江市教委「描写過激」 - 社会 - www_asahi_com_national_update_0816_OSK201308160095_html

この『はだしのゲン』に対する攻撃というのは、実はこれに始まった話ではありません。

書かれている内容が例によって「事実ではなく」もっぱら「反日的」な内容であるという主張は、以前より右翼的な人たちから根強くありました。したがって、過激な描写というよりは、その思想的な内容をやり玉にあげる人がいて、その中に在特会一派の方々がいました。… 続きを読む

『終戦のエンペラー』  -アメリカ人の天皇戦争責任論?

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とにかく主演の俳優がヘタクソとしか言いようがなく、終始これで映画としては興ざめな思いを抱きながら筋を追っていくことになります。まずこれが第一前提。

特別このヘタクソ俳優が気に障らねば、それなりに観れるかもしれませんね。

占領軍として厚木に降り立ったマッカーサーは、天皇の戦争責任を回避するために、知日派の准将にそのための証拠を探すように指令を出す。

この准将は日本人の恋人がいて、それと別れたままで戦争が始まってしまっていた。恋人の生死を戦後の焼け野原で探し求めながら、同時進行で天皇の周りの人間への調査が始まる。… 続きを読む

『パシフィックリム』 超合金ロボット、故郷に帰る

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日本のロボットアニメとジャンクな特撮モノの世界を詰め込んで濃縮還元100%ジュースにしたハリウッドのVFX映画。

ロボットアニメといっても、70年代のサンライズ(ガンダム以前)のテイストに近い。

エンドロールで、本多猪四郎に捧ぐとありましたが、円谷や東宝怪獣ものというよりは、日本のアニメのストーリーテリングやロボットキャラターの設定を多用しています。本多猪四郎に捧ぐとしたら、こっちよりも『クローバーフィールド』でしょう。比較すらならこちら『パシフィックリム』の世界観は超合金ロボットアニメです。… 続きを読む

やっちまったなあカラックス・・・と思いきや / 『ホーリーモーターズ』 レオス・カラックス

ホーリー・モーターズ (DVD)
◇『ホーリーモーターズ』 レオス・カラックス

「やっちゃったな、カラックス・・・」

それがこの映画を観終わってからのため息まじりの感想。

例によって、なるべく他人の映画のレビューはなるべく目にしないようにしてから映画に出かけることにしているので、帰ってから他人のレビューをチェックしてみると、『ホーリーモーターズ』の評価が高いことに驚愕。

うーん、これがいいんですか?

ストーリーが支離滅裂とか、単なるメイク大会とか、ラストがディズニーの『カーズ』かよ!とか、無粋な突っ込みはしませんよ。… 続きを読む

アイ・リメンバー・石井聰亙 / 『生きてるものはいないのか』 石井岳龍

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『生きてるものはいかいのか』公式サイト
最初から最後まで気になったのは、アフレコがなんだかヘンなこと。
別にヘンなのではないかもしれないのだが、違和感が残りまくる。妙にクチパクと音声のズレとかが気になって仕方ない。
ここまで気になってしまえば、これは映画としての残念なこととなるのでしょう。
セリフをもってして、滑稽なすれ違い滑稽さ、奇妙なシュール感を出そうとしているのに、そのアフレコがなんだかチグハグなんですよ。… 続きを読む

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