贖罪のための羊、プロレスラー / 「ザ・レスラー」 ダーレン・アロノフスキー 【映画】

◇「ザ・レスラー」公式サイト
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ステディカムでとられた古典的なアメリカン・ニュー・シネマの文法の映画です。
レスラーが贖罪の羊である、そんな視点を低予算のハンディカメラなのに、凝りに凝った絵で作りこみながら物語としていくんですよ。しかも、時にコミカルに、そしてひたすら切なく。
汚いおやじとババア、プロレスの流血デスマッチやどうみてもオタクなプロレスファン、そして鳴り響く80年代アメリカンハードロック・・・その舞台仕立てで、こんな風に男の美学を描けるなんて、驚きですよ。
たったひとりの家族に見放されて、死を覚悟してリングに向かう老いさらばえたレスラーに、片思いだった子持ちのストリッパーが止めに行く。けれど、「オレの家はあそこなんだ」とリングに向かうミッキー・ローク。
そのときに流れる入場曲が、Guns N’ Roses の「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」。
べたべたであるはずなのに、なんでこんなにクールなんだろう。素晴らしいですよ。
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個人的にツボにはまったのは、やっとデートに誘い出したストリッパーと、はじめて盛り上がった話題が、80年代アメリカンロックの話だったところだな。あれはよかったこれはよかったとひとしきりバンドや曲名をあげてから、「けど、ニルバーナが出てきて、パーティーが終わってしまった」というようなことを言うわけです。
これには 激 し く 同 意。
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ミッキー・ロークにも拍手。そして、ストリッパー役のマリサ・トメイは完璧の讃辞。
そんなわけで、今年の上半期、全64本の劇場鑑賞作のベストはこの映画といたします。

FWF評価 ☆☆☆☆☆

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