「阪急電車 片道15分の奇跡」/犬を飼う女のための映画

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◇「阪急電車 片道15分の奇跡」公式サイト
愛玩動物として犬を愛でる女性は、基本的に男性のことを犬のように取り扱います。
コレ、自分の人生経験の中で学んだ豆知識です。
男性諸氏はアタマに入れておいたほうがいいかもしれません(笑)
本来獰猛な獣であるのに、自分に懐いてくる犬のペット。
そういう男性も確かに多いですからね。まあ、いいんじゃないでしょうか。
この映画は、女性のための映画です。
犬として遇せられても、クンクンと喜びに満ちた鼻声をあげて嬉しがるような男性にもいいんじゃないでしょうか。
しかし、自分は徹底的にダメでした(笑)
宝塚と西宮北口をつなぐ、わずか8つの駅だけある阪急電車今津線。
その沿線に住む人たちにも、ささいな日常の悩みや人生の葛藤がある。
スケールの小さな路線の中の、小さな人生模様が、往復の電車の中のひとときでつながりあう偶然と心模様。
そんなテーマの映画なんですけれど、まあなんというか。
この映画では、図式的に、つつましやかな日常を暮らそうという人に、必ず敵がいるわけですね。
電車の中で大声を出して騒ぐ醜い主婦。
二枚目のくせに女に手をあげて、別れを切り出されるとストーカーまがいの行為に走る男。
不器用で時代遅れな小さなことに、自分だけの喜びを見出すことに白い目を向ける人たち。
自分のスタイルをまげないことに反感をもって仲間はずれにする同級生たち。
この対立構造が、とても女のコっぽいわけですね。あくまでも自分の受け取り方ですけど。電車の中で大声出すようなおばさんなんて、どうでもいいじゃないですか(笑)けど、それが大問題で、対決シーンがクライマックスに置かれてカタルシスの頂点にあるんですよ。
戯画化されたおばさん連中とか、テレビの悩み相談の再現ドラマみたいなDV→ストーカー化の顛末とか、パンク少年と田舎娘の恋愛とか、もうザ・月並ですわー。ごめんなさい。
この映画、ストーリーのポイントで犬が出てきます。
男性は愛玩動物としてわかりやすくあってほしい。それ以外は獣であり放逐される悪者であり、自分の小さな幸福をかき乱すものは同じく悪である・・・そんな小さな女性のための物語がこの映画です。
そして自分はといえば、犬を男性の暗喩として扱っている単刀直入っぷりが鼻につき、そして対立構造の月並みさに脱力し、最後のどうでもいい電車の中の説教クライマックスでギブアップ!そんな映画でした。
だけど、こういうわかりやすい世界観が、シネコンのためのプログラムピクチャーとしては不可欠なんでしょうから、そういう意味では、キチンと役割を果たしているんでしょうね。女性は重要ですよ、シネコンビジネスにとっては。
監督は映画デビュー作ですか。検索したら、ポロシャツの襟を立てた画像があがってきました(笑)テレビマンなんですね。
喜重というお名前は、テレビ畑の人だから本名なんでしょうけど、松竹ヌーヴェルバーグの吉田喜重監督からきているのでしょうかね。
それならば、時間経過を示す空ショットも、軍ヲタの部屋のディティールのあっけなさも、何よりも映画の大半が消化される電車内のシーンの窓の外の景色の合成丸出し感も、なんとかがんばってほしかったところです。
以上、いろんなところのレビュー評価が非常に高いので、オレは犬にあらずという気概をもった男性に注意を喚起するべく、辛口で書いてみました。
結論として、オレが観に行く映画ではありませんでした。一年に一回ぐらいは、こういう経験をしないとダメなんじゃないかとも思いますが(笑)
FWF評価:☆★★★★

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