なんというキュートでクールなバアさん / 「ココ・シャネル」 【映画】

◇「ココ・シャネル」公式サイト

この映画、ケチをつければグダグダといろいろ書き連ねられるんでしょうけど、ただひとつ、シャーリー・マクレーンの”ココ”・シャネル役が、あまりにもクールでキュートな婆さんなのにやられてしまい、ひたすらそれに魅入ってしまいました。
ラスト・シーンのシャネルのリベンジマッチのコレクションのシーン、数々のモデルが様々なシャネルのファッションをみにまとって出てくるわけですが、結局一番シャネルのスーツを着こなしていたのが、シャーリー・マクリーンの婆さん。これは衝撃的でした。
ストーリーとしては、シャネルの生い立ちから初期の恋愛までがフューチャーされているのですが、自分としては、この婆さんの立ち居振る舞いから、キメのセリフの数々をもっともっと楽しみたかったです。
若き日のココ・シャネルを演じる俳優は、最初ずっと、去年自分の中で評価の高かった「ブロークン・イングリッシュ」という映画の主人公役の女優かと思っていたのですが、家に帰ってきたから確認して、違う女優ということに気づきました。
で、この人が、どうにもこうにも魅力がいまひとつなんですよね。
失恋を経てから、くわえタバコで仕事に取り組む姿が少しよかったかな。けど、シャーリー・マクレーンには勝てません。
人間、こうして年をとりたいものです。
全編を通じて、英語のアフレコのセリフが気になりまくるし、恋愛譚もムリがありすぎ。
もっと、悪女としてのココ・シャネルを描ければよかったのに。
だから、全編の中心となる回顧シーンはダメです。あれじゃあ、都合よすぎだし、美化しすぎだろーよ。
シャネル・イズ・バックのそもそもの原因は、実はフランスでは、シャネルがドイツ人将校との恋愛で、対独協力を問われていたからということを、これまた後で知りました。残念、そこをむしろ描けば、単に悲恋に負けずに成り上がった・・・というような薄いストーリーから深みを追加できていたのに・・・という感じです。
ところで、この映画にシャネル本体は協力したんでしょうかね。
彼らは、シャネルの対独協力のあたりは隠したかったでしょうし、他のやりてのシャネルと「失敗から学んでいく」シャネルはあんまり触れられたくなかったのでは。
そこに映画では踏み込まない・・・という約束のもと、数着のシャネルのスーツとビンテージの資料を、しぶしぶ貸与してくれたというような感じです。ちょっとここは残念。
シャネルなら、もっと衣装は豪華絢爛になりうる話なんでしょうね、普通は。
冒頭の感慨に戻りますが、そんななんで、シャーリー・マクレーンの衣装だけは完璧。
これを映画の中で引き立てるために、モデルの衣装はいわば、わざとドレス・ダウンさせたのではないかと思えるぐらい。
そんなわけで、そのバアさんをもう一回DVDでもいいので観返してみたいと思わせる映画でした。こういう経験はあんまりないなあ。よかったですよ。
FWF評価 ☆☆☆★★

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