ジュリア – goo 映画
この映画を観るための前提知識は、主演の2人の女優と監督の経歴について。
アカデミー賞にノミネートされたこと自体が驚くべきことも知っておいたほうがよろしいかと思います。
まずは、ジェーン・フォンダ。
ベトナム反戦運動に深くコミットした彼女は、この時代の「ウーマン・リブ」の象徴的な存在になっていました。けれどヴェトナムに取材に行った際に、こともあろうかヴェトコンの陣地で彼らのヘルメットを被ったところを写真に撮られて、アメリカ国内で大批判を浴びます。
そのスキャンダルから5年後の出演作がこの「ジュリア」。現在でもフェミニストのシンボル的な存在です。
さらには、ヴァネッサ・レッドグレイヴ。
左翼であるこの人は、イスラエルによるパレスチナ弾圧を批判し続けており、この作品でのオスカー受賞でもユダヤ人団体は猛反対。
こともあろうに、その授賞式でもイスラエルに対する批難を表明して批判を受けました。
「あなた方を称賛して敬意を表します。この数週間のシオニストのチンピラによる、ユダヤ人の名声とファシズムと反ユダヤ主義と闘ってきた英雄的行為を台無しにする行為に対して、強い抵抗をしめしたことを。私は反ユダヤ主義とファシズムに反対し続けます」
しかし屈することなく、翌年にはパレスチナをテーマとした映画を監督。
この闘う女性のウーマンパワーを2枚並べた監督も硬骨の映画人、フレッド・ジンネマン。両親をホロコーストで失ったユダヤ系オーストリア人の出自を持つ人。
その人が、反ナチ闘争のエピソードを二人の女闘士に託して撮りあげた作品がこれ。
しかも、テーマは深くレズビアン的なシチュエーションに浸されていて、まさにフェミニズム全開の内容。これは画期的であるわけですよ。
もちろん、そういう政治的なテーマが、素晴らしい映像に包まれているところもポイント。
中盤は列車が使われたサスペンス仕立てです。暗闇に逆光で浮かびあがる列車の美しさから、あっけなく失敗になるこの反ナチ活動の結末の向こうに、底知れぬ闇が広がります。それは解決されずに放置されるのですが、おおよそユダヤ人監督がとったシリアスな反ナチものによくあるパターンです。
ここから先は自分たちで推量してほしい、考えてもらうことが大事なのだから。それは観客を信頼しているからなのでしょうか。それともいくら語ったとしても伝えることには限界があるという絶望からなのでしょうか。いつもそれには心動かされます。
水面のシーンが多いのも印象的です。いろいろな暗示的な意味合いがありそうです。
そんなわけで、まったくもってして不勉強な自分は午前十時の映画祭にリストアップされるまで、この作品を知りませんでした。観ていてよかったですよ、この映画。
コメント
Nike Air Max 2013
6-litre petrol variant is quick and entertaining, especially in Zetec S guise, but it’s not as frugal as other models in the line-up6-litre petrol variant is quick and entertaining, especially in Zetec S guise, but it’s not as frugal as other model…
Louis Vuitton UK
6-litre petrol variant is quick and entertaining, especially in Zetec S guise, but it’s not as frugal as other models in the line-up6-litre petrol variant is quick and entertaining, especially in Zetec S guise, but it’s not as frugal as other model…
LpSYAayI
清義明のブログ Football is the weapon of the future REDUX 「ジュリア」 闘うフェミニストの時代の秀作!/フレッド・ジンネマン