フェザー級の演技 / 「フロスト×ニクソン」 ロン・ハワード

◇「フロスト×ニクソン」公式サイト
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元大統領とトークショーのホストという不釣合いな二人によって、一対一の言葉による応酬となり、ボクシングに見立てられてながら、真実を暴いていくという仕掛けは、なかなか面白いのだが、いかんせん肝心のボクサーがイモなので、まったく緊迫感が伝わってこない。
しかし、そんなに彼らが悪かったわけでなく、自分の中では、まさに鬼気迫る言葉の応酬による心理戦を、トリック・アートのような物語の中で演じた「ダウト」を見て一ヶ月たらずの時期だったのもタイミングが悪かったのかも知れない。
ヘビー級の戦いが「ダウト」だったとしたら、こちらはせいぜいフェザー級くらいかな。ロン・ハワードは、きっと「ダウト」を見たあと、ニクソンなみの敗北感を味わったに違いないでしょう。
誰にでも愛されるトークショーの司会者がシリアスに鬼気迫るインタビューをし、アメリカの恥部となった元大統領がユーモラスな受け答えをしながら余裕でかわしていく、そんな逆転した関係が面白いはずなのに、なんだか浅い。
ニクソンがもっと良い人にして、フロストが悪い男みたいに撮っていけば、もっと面白かったんだろうけれども。
「テレビのアップがニクソンの表情を捉えて、それが真実を暴いたのだ」・・・みたいなセリフがあるのですが、ニクソン役のアップがこれまたわりやすい月並みな演技でなんともはや。。。
ドキュメンタリー映画のような後日談を関係者に語らせる風の演出もなんだか興冷め。
「テレビの力を良く知っている男」、それがフロストで、それがゆえにニクソンを追い込んだ・・・ということなんですが、フロストがテレビの力を最大限利用したようには映画の中には描かれていない。
ここがもっとも、どうにもならないところかも知れないですね。
FWF評価:☆☆

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