果たして、この映画がマドンナ監督というのを完全に伏せていたならば、日本で見れたのだろうか?という疑問は最後まで払底できない。
インド人の子沢山で嫁には頭が上がらないインド系の薬局の主人。
SMのアルバイトをしている、ロシア系ミュージシャン。
バレリーナを目指しているショーパブの踊り子。
アフリカの飢えた子供を救うことを夢見る薬局のアルバイト。
詩を捨てた盲目の詩人。
堕ちこんだ世界から仰ぎ見る視線は様々だが、どうにもこうにも葛藤や苦悩は巻き起こらず、中途半端な生活描写や小さなコミカルなエピソードに包まれたまま、唐突なエンディングに至る。
どこに魅力を見出していいのかわからないまま、ゴツゴツとして存在感をもつ登場人物が軽くからみあう展開。
俳優の選択が特殊なのは評価できる・・・が、最後まで中途半端なまま。
音楽・ダンス・文学・・・マドンナの夢が雑然とつまった引き出しを、あけて見たような映画ではあるのだが、そこまでか。もう少し煮詰めてストーリーをつくってほしかった。
または、ストーリーで楽しませる映画でなくてもいいから、もっと映像をつくりこむ努力。
机の引き出しの中身ならば、もうちょっと整理しないと、いい勉強は出来ないですよ。子供の学習机の引き出しにしてはもったいないものがつまっているのだから。
FWF評価: ☆☆
引き出しの中の雑然とした夢 / 「ワンダーラスト」 マドンナ 【映画】
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