「ふたりのヌーヴェルヴァーグ」 

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「ふたりのヌーヴェルヴァーグ」公式サイト
ヌーヴェル・ヴァーグの興行的な成功は、わずか7カ月。
カンヌで監督賞をとった『大人はわかってくれない』の成功と、追いかけるように公開された『勝手にしやがれ』が話題を呼んで、しかしそこまで。
かつてカイエ・ドゥ・シネマでトリュフーに、そのデビュー作だった『狂った果実』を激賞された中平康は、ばっさりと「私はヌーヴェルヴァーグを認めない」と一刀両断して、「ザラ紙に誤字だらけの同人小説を読まされた印象」と切って捨てていた。
中平が嫌悪するのは、そのアマチュアリズムである。若い映画批評家が突然映画監督になり、自分の夢を突然スクリーンに映写しだした。「批評とは畢竟己の夢を懐疑的に語ることではなかったか」と小林秀雄。ヌーヴェルヴァーグの若手たちは、それを語るだけではなく、不器用にカメラに撮りだししてしまったのである。
ヌーヴェルヴァーグの10年後に、ニューヨークやロンドンでまともに楽器が弾けない街の不良がバンドを組み、それがかえって複雑になりすぎた音楽に何かを取り戻したような音を発しだした。これをパンクという。たぶん、彼らは映画におけるパンクだったのである。
カメラをもった不良達は、興行的な失敗の連続にもめげることはなく、ヌーヴェルヴァーグの波は世界中に押し寄せていく。
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この映画の脚本は、元カイエ・ドゥ・シネマの元編集長。それ故なのか、次から次へと過去の新聞や雑誌の資料や、めずらしい撮影風景やインタビュー映像があらわれていき、さらにはゴダールとトリュフォーの過去の名作も続々と引用される。
ゴダールとトリュフォーの青春物語が淡々とつづられているがよいところ。
そこにキーマンとなるジャン=ピエール・レオが絡む。
ヌーヴェルヴァーグの入門というには、欠落した監督や作品も多いのだが、この三人に焦点を当ててうまくまとめている
よく出来たドキュメンタリーである。


まあ、ゴダールがこのドキュメンタリー観てどんな感想を抱いているのかも知りたいところ。
So what?
憎まれ口を叩く様も浮かんできますね(笑)
FWF評価:☆☆☆★★

コメント

  1. 『ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー』は21世紀のヌーヴェルヴァーグだよ。

     そんなこんなでそこそこ真面目に更新していってこの溜まりに溜まったノルマをなんとかしてやろうと思っております。
     今回は『ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー』という、ヌーヴェ…

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