ザ・銀座の良心、三原橋のシネパトスが、”邦画名画専門館として『名画座宣言』”と大きく出たことに、昨日気づきました。
のっけから、レイトショーの特集は「COOL&WILD 反逆のヒロイン梶芽衣子特集」
さっそく会社帰りの21時のレイトショーにて「女囚さそり」シリーズ鑑賞となりました。
5枚綴りの回数券だと、1回1000円。これはしばらく通うことになりそうです。もちろん、回数券は即購入。
で、作品の方なんですが、すごいですよね女囚さそりの梶芽衣子!
この人のセリフって、全編かけてたった3つだけ!
しかも、そのうち2つは、からみの助演の「マッチ売りの少女」の売春婦の名前をつぶやくだけ。
マッチ一本20円で、またぐらを見せる可哀そうな売春婦が、「マッチ売りの少女」です。これがまた、知恵おくれの兄との近親相姦とかあって、さらに悲劇なんですよ。。。
名前は二文字(マキ・・・だっけかな)だから、たった4文字ですよ(笑)
だから、この90分で、セリフらしいセリフといえば、さそりの反撃が始まる宣戦布告のような一言、「殺された女の恨みが私にのりうつったのさ」だけ!
さそりの能面のような表情が延々続き、そして、本当に意味のあるここぞというときだけ、口元が少し緩む。たぶん全編でそんな瞬間はわずか数秒。
しかし、それがまた忘れられない魅力となる。
クールです。抑えに抑えて、そしてチラ見せの美学。抑制の演技です。
刑事役の成田三樹夫のまぶたの動き、日本映画ならではの記号論的な意味に満ち溢れた乳房の露出、水面に落ちるマッチの火・・・印象的なシーンの映像が、これでもかこれでもかとキメのショットとともに繰り出されるのも、本当に楽しい。
刺激をつくるために、マンガチックなやりすぎ部分も含めて、この映画、本当に貴重だと思いますよ。
コミックとギリギリのやりすぎ部分も、これらのスタイリッシュで映像の美的追及の引き立て役と考えれば許せる・・・かも。
なんにしろ、ワンダフル!
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