ようするに贖罪の物語ですね。教会が出てくるのが、わりやすいポイントです。
塀の上(境界線)でしか世の中にコミットできない三人の冒険の物語です。
ひとりは塀から落ちて死んでしまいますが、あれは塀から落ちた怪我が原因ではなく、塀の下に落ちると生きられないということなんでしょう。
何かの原因で教師殺しをして塀の上の人となった(発狂した)男が世界の滅亡を求める。
その罪を購うために、女のコが世界の滅亡を代理する。
簡単な筋ですが、それをファンタジーに仕立て上げる腕力は岩井俊二ならではです。
ただし、あまりにも唐突すぎる。主人公の女の死に至るまで、教師殺しと教会のエピソード以外は何も描きこまれていない。ぷつん、と唐突にやってくる違和感を尊ぶことができるかが、この映画の根本的な部分での評価を分けるような気がします。
自分はダメでした。考えるに岩井俊二監督/脚本作品は皆こうです。だから、この監督の作品に没入することができません。ファンタジーと映像美に一生懸命であるばかりで、延々丁寧に撮りつくした末に、物語はいつも放置されてしまうのです。
それがいいのだ!というファンも多いのでしょうが、自分はダメです。
以上はおいておくとしても、この監督のキャスティングと演技のつけ方には、本当に納得させられる。Charaの白い太腿とかは、個人的に大変な説得力がありました(笑)
また、斬新な映像美もこれまた良し。
贖罪の物語なんでしょうが・・・ / 「PicNic」 岩井俊二 【映画】
この記事は約2分で読めます。
コメント