-->レーニンの帝国主義論のリバイバル? / 「ザ・バンク 堕ちた巨像」 【映画】 - Football is the weapon of the future フットボールは未来の兵器である | 清 義明

レーニンの帝国主義論のリバイバル? / 「ザ・バンク 堕ちた巨像」 【映画】

この記事は約2分で読めます。

◇「ザ・バンク 堕ちた巨像」公式サイト

単に資金の貸し借りや両替業務を生業としていた銀行が、金融資本として巨大なパワーを持つと、国家や産業と癒着して、戦争を巻き起こす・・・・これが、かなりおおざっぱですが、レーニンの「帝国主義論」(1917)のシナリオ。
このシナリオ自体、それなりに説得力があるものだが、もちろんそんなに事は単純なわけではない。
この映画は、世界金融危機で思いっきり悪者になった金融資本を、わかりやすーく悪者に仕立ててくれて、レーニンの帝国主義論を擬人化したような登場人物が、現代風にソフィスティケイトされて出てくる。
まあ、それくらい単純でわかりやすく銀行が「悪」ということならば、レーニンももう少しラクができたと思うのだけれども。
まあ、なんというか、共産主義は遠い歴史の話になりつつあるなかで、ひとまわりして、こういうサスペンス?仕立てのドラマになるっていうのも面白いことですね。
いくら弾丸が飛び交っても、ヒーローは決して死ぬことはなく、苦悩の中で見出した結論は風に吹きさらされて、結局はアメリカはなんとなく世界の中心で、提議された問題はちょっと気の利いたオチの向こうに放置されている。
この後はみんな考えてみてよ!ってエンディングも、ここまで単純化されたレーニンの昔のセオリーだったとしたら、あんまり得るところもないですよね。
アクションシーンも、すみません、がんばっているんでしょうけど、月並みの領域を出てません。

FWF評価:☆☆

コメント