優雅で感傷的な台湾プロ野球 / 「九月に降る風」 トム・リン(林書宇) 【映画】

◇「九月に降る風」公式サイト
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野球が大きな舞台回しの仕掛けとなっていて、しかもご丁寧に映画タイトルにも”9”が入っているのだから、これは9人の青春模様なハズ・・・とあたりをつけて、観ていったのですが、どう数えても9人にならなかったので、なんだか腑に落ちない気分だったのですが、家にかえってこうやってレビューを書こうとして、オフィシャルサイト観てやっと気づきました。
これ女子の2名も入れて9人なんですね(笑)
・・・すみません、かなりどうでもいい話です。
以上のように、自分は、この映画を野球をテーマにした映画のひとつと分類したくなっています。
しかも、かなりシリアスで、時代のど真ん中に、センシティブな取り扱いをした野球がひとつおいてある。この使い方がとてもよい。
97年の台湾の青春が、そんなものは自分は知らないくせにやたらとリアルに見えてくるし、そこで巻き起こる青春の別れや死、裏切りやすれ違いが、ラスト・シーンに向けてキチンと整理されて提示される。
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主人公たちのアイドルだった廖敏雄は、この97年の卒業シーズンの夏に球界を終われ、そして彼らが応援していたチームのイーグルスも解散したそうだ廖敏雄は、この97年の卒業シーズンの夏に球界を終われ、そして彼らが応援していたチームのイーグルスも解散したそうだ。
ラスト・シーンの仕掛けは、こういう背景がもとになっている。
ポケベルをストーリーの要に使うところや、わたしたち日本人になじみの深い風俗描写もなんだか懐かしい。飯島愛とか郭李やら、壁に貼られたエヴァンゲリオンの切り抜きに至るまで、忘れかけていたものを台湾の映画で発見する不思議な遠近感も貴重である。
小細工ひとつなく平凡な映画の手法であっさりと撮られた映画であるけれど、不思議な静謐に満たされながら、かつ主題は残酷で、そしてヒリヒリとするようなリアリティに満ちているし、それが台湾で人気を博した理由なんでしょう。

Not too bad。悪くなかったですよ。
FWF評価: ☆☆☆

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