懐かしい気分にしてもらいました / 「SR サイタマノラッパー」 入江悠  【映画】

◇「SR サイタマノラッパー」公式サイト
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懐かしい気持ちになれる映画というのは、自分にとって、それだけで傑作である。
地方都市の小さなヒップ・ホップシーンをコミカルな舞台まわしにしながら、あてどもないモラトリアムからの脱出を無邪気に夢見るどうしようもないアダルトチルドレンの物語。
「青春」という言葉を使ってもいいのだろうけれども、これはさらに現代風なリアルな設定がしてある。高校卒業後、すでに何年も無職。アルバイトすらもしていない。… 続きを読む

向き合うこと / 「帝国オーケストラ」 【映画】

◇「帝国オーケストラ」公式サイト
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 あらすじ:
 “ナチスのオーケストラ”と呼ばれたベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。
 ヒトラー政権時に一時国営化され、プロパガンダに利用されることになる。
 退団したユダヤ人メンバーのことや、ナチスの党員だった数人のメンバーのこと。
 そして外国への慰問演奏会などについて、当時の楽団員が貴重な証言をする。
  シネマトゥデイ

ディレクターズカット版の公開に寄せて、サンチェス=ランチェ監督は次のようにコメントしている。… 続きを読む

監督クリント・イーストウッドの時代 / 「チェンジリング」 C. イーストウッド 【映画】

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過剰な演技を排した登場人物は、映画の物語に押し流されながら、独自の印象を残していく。淡々とした演出は、物語の壮絶さや残酷さをうまく調和させるバランスを果たしつつ、微妙な風合いでスクリーンに溶かし込まれている。
これはイーストウッドの監督映画の基本パターン。
考えるに、アンジェリーナ・ジョリーは、そもそもそういう女優である。
残酷な社会に翻弄されながら、それに立ち向かっていくことをやめない母親の弱さと強さを的確に表現していることに感嘆する。そして、アンジェリーナ・ジョリーのその資質を計算づくで見出し、そしてこの物語に起用した監督力に脱帽する。… 続きを読む

ロードムービーとはかくあるべし / 「太陽に恋して」 ファティ・アキン 【映画】

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学校で生徒にバカにされるような、しがない教師が、日本でもよくいる街中のアクセサリー売りの女のコに出会い、そこから始まる偶然の恋が、彼を路上に連れ出していく。
破天荒なストーリーに、一筋縄ではいかない魅力的な人物が重なりあいながら、それでもすべてのエピソードは主人公を祝福するかのように丹念に結びついている。
パンク野郎のファティ・アキンのユーモアや笑いのツボが、下卑たものから、スラップスティクなものまで、縦横無尽に織り込まれ、そしてかつ、映像は美しい。… 続きを読む

演技技巧の快感とだまし絵のストーリー / 「ダウト」 ジョン・パトリック・シャンリー 【映画】

◇「ダウト」公式サイト
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ジャズやロックだと、ソロ楽器による「バトル」というものがある。何小節かずつソロを交換しあうなかで、その巧みさを競い合いつつ、ひとつの曲として成立させるものだ。
映画「クロスロード」みたいなのは大袈裟としても、そういう技巧の競り合いが生み出す緊迫感は、やはり堪えられない味わいがある。
この映画は、まさにそれ。
演技の技巧のソロ交換が作り出す快感を得るための映画。クロースアップの表情の交換が延々と物語を作り出していくことに素直に圧倒される。… 続きを読む

この映画を誰が愛せばいいのだろうか / 「オーストラリア」 バズ・ラーマン 【映画】

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いきなりですが、日本軍の描き方をめぐってヘンに政治的なかんぐりで、この映画を非難する意見について。
日本軍が隠喩である「嵐」を現実化したものであるのは明らかで、それが通り過ぎたあとに、ひとつの変転が訪れるきっかけになるということは映画の中で繰り返し言及されている。
そして、その嵐のあとに、ひとつの大団円に近い結末が示されているのであるのだから、むしろそのカタルシスを呼び込んだ善悪を超えた存在だったと理解していいのではないか。… 続きを読む

ぷるぷる映画 / 「誰も守ってくれない」 

◇「誰も守ってくれない」公式サイト
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この映画、カメラがずっとプルプルプルプル震えてるんですよね。
最初、迫真シーンの臨場感を伝えるためかとポジティブに理解してたんだけど、ずっとプルプル続いて、感動っぽいシーンでもプルプル、主人公格の志田未来のキメの瞳の演技でもプルプル。
プルプルプルプルずっとプルプル。
ハンディカメラがドキュメンタリータッチの演出で・・・云々というのは、どうなのかな。最後までプルプルしていて、どうでもいい風景描写では固定カメラというならば、それは単に予算がなかったということなんじゃないでしょうか?… 続きを読む

ちょいワル親父なんてこんなもんさ / 「エレジー」 【映画】

◇「エレジー」公式サイト
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たとえば、悪い親父と小娘の恋愛といえば、まずは思い出すのはベルトリッチの「ラスト・タンゴ・イン・パリ」
得体の知れないハゲオヤジ(落武者風)の荒くれに翻弄されつつ、最後に立場が反転する仕掛けが大変印象的な映画であった。
また、作家のオヤジと小娘の恋愛といえば、たとえば「家宅の人」。緒方拳が異彩を放つ演技で女優陣をうまく引き立てていた。
この映画に出てくるオヤジは、いわゆる「ちょいワル親父」。… 続きを読む

オンナたちはオシャレに生きている / 「キャラメル」 ナディーン・ラバキー 【映画】 

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恋と人生に悩むオンナたちの日常の生き様を描く映画・・・単にそれだけのものならば、物語のエンジンをかける仕掛けが必要となる。
この映画の場合は、レバノンのベイルート。
フェニキア人の昔から栄える古都、さらにはフランスに占領されていた他民族他宗教国家のモザイク模様が、独特の彩りを物語に与える。
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ちょっとしたトラブルで「おまわりさん」につかまる婚約者の男のシーンでは、どう見てもその警察官はフル装備の兵隊にしか見えない。… 続きを読む

たとえどうしょうもない映画だったとしても / 「少年メリケンサック」 宮藤官九郎 【映画】

◇「少年メリケンサック」公式サイト
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バンドの映画のくせに、いい曲が一曲もない。
出てくる音はアンプ直結のベースのせいでずっとヨレヨレしている。
本当に聴くに堪えない。
世界観は最初から最後まで、うんこちんこ○んこ+ゲロ嘔吐。
佐藤浩市のパンクス演技は最初から最後までぎこちなく、ストーリーも少年マガジンなみに無理がある。有り体にいえば連載途中で終わってしまうレベルのコミック。
おおげさだから面白いってわけじゃねーんだよ、ユースケ・サンタマリア!… 続きを読む

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