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思想が狂気に転化する瞬間 / 「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」 若松孝二 【映画】 

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◇Wikipedia「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」

下北沢のミニ・シアターで観る。
街中のティーンや大学生が集まる雑踏を通り過ぎて、角を曲がったところの小さなスクリーンの前に集まっていたのは、初老と思しき中高年の姿ばかり。
ほとんど再現フィルム仕立てのドキュメンタリーに近い映画のつくりで、映像の向こうから、「目をそらすなかれ」という声が絶えず聴こえてくるようだった。
思想が狂気に転化する様が延々と3時間続いていく。
冒頭の「この物語は一部を除いて、すべて事実である」という字幕が、重く重くのしかかる。
暗澹たる気持ちで劇場を出ると、まさに連合赤軍の物語の主人公たちと同じ年の人たちが、楽しそうに師走の町を歩いている姿だ。彼らはこのような狂気と無縁にみえる。しかし、本当に現代の彼らとは関係のないバカバカしい悲劇だったのだろうか。単に「カルト」として切り捨てることだけのことなのであろうか。

たいへん感慨深く、そして映画の衝撃に打ちのめされる思いである。
FWF評価: ☆☆☆☆☆

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