映画のリズム / 「のんちゃんのり弁」  緒方明  【映画】

のんちゃんのり弁公式サイト
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ダメ亭主に愛想をつかした31才子持ち主婦が、離婚のうえの自立をはかってお弁当屋さんを志す物語・・・
ストーリーはわずか1行半で括ることができるのだが、映画の面白さはそれをどれだけ豊かに表現できるかにある。そういう見本のような良作。
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特筆すべきは、映画のリズム。
ストーリーは当然ながら、カメラも演技もセリフも音楽も、小気味良くトントントンと続く。トントントンの最後の「トン」は少しタメが入る。演技に至っては、小津映画のように秒数まで測って、ここのセリフはコンマ何秒ウラをとってから話して、それを身の振りでオモテに戻す・・・というような絶妙な計算がしてあるかの如く。感心するばかり。
音楽でも舞台表現でもお笑いでも、人の心をつかむ要素のひとつはリズムだ。
この映画はリズムに満ち溢れている。そして、小西真奈美はそれを完璧に体現しながら、微細な表情の動きや身体動作をコントロールする。
舞台回しの重要なアイテムとなる料理の一品一品もでしゃばらず抑えているのもいい。
ここで料理が前に出てしまったら、せっかくの演技のリズムも台無しだ。
役者も快いばかり。
ダメ亭主の岡田義徳のダメっぷり面白さも魅力的だし、そろって下町風情の明るさを現代風に演じきる山口紗弥加や倍賞美津子も味を出している。
総じて、このようなテイスティングで役者も演技も脚本も編集も取りそろえられるこの監督に技あり一本ということだろう。
よかったですよ!

FWF評価 ☆☆☆

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