クサくてカッコいいことを「クサカッコいい」と呼ぶ / 「パブリック・エネミーズ」 マイケル・マン

「パブリック・エネミーズ」公式サイト
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ラスト・シーン、FBIの前身の連邦捜査局のベテラン捜査官が、主人公の死を恋人に告げるセリフは、「彼女に伝えてくれ、バイ・バイ・ブラックバード」というものでした。
なんというクサくもカッコいい決めのセリフ。
この映画は、そういうマイケル・マンの男の美学を、あたかも葉巻とかウイスキーとかを楽しむように鑑賞する映画です。
そういう意味で、ジョニー・ディップ主演目当てで行った人は大外しじゃないでしょうか。
そもそも主人公なのに、なぜにこんなに存在感が薄いわけなのでしょうか。それは男のクールというものはこういうものだからです。そして、カネ・銃・女、友情そして裏切り・・・。
このようなクサカッコいいことを、自分は勝手にクサカッコいいと表現してます。
典型的なクサカッコいい映画でしょう。日本でいえば、70-80年代の刑事モノ映画、最近ならば東映Vシネマなどでも頻発するスタイルです。
もちろん、そういう潮流をつくったのが、マイケル・マンでもあるわけですが。
前述の古株の捜査官役がスティーブン・ラング。この人は「アバター」で、パワードスーツで暴れまわっていた傭兵の鬼隊長役の人ですね。アバターが満員で観れなかった人は次にこの人がアバターで出てきますよ。
ジョニー・ディップの「社会の敵」デリンジャーの仲間にルーマニア移民の女(アンナ)が出てきてました。結局はこの女に裏切られてしまうわけですが、この役を演じているのはブランカ・カティッチ。
クストリッツァの「黒猫・白猫」の後、ファティ・アキンの「太陽に恋して」のルーマニアのロマ(ジプシー)の怪しい女として出演してました。
バルカン・ビートの音楽が大音量で流れるディスコで、主人公を騙して催眠役を飲ませてしまう悪い女・・・しかし、自分はその妖艶さに強い印象をもっていました。
てなわけで、いつの間にかアメリカ進出してまして、マイケル・マンの「パブリック・エネミーズ」では、やっぱりルーマニアの移民役で出てました。
パブリックエネミーズは大恐慌の時代1930年代の前半です。
この時代は東欧からの移民が問題となっていた時代で、様々に迫害されたりしていたようです。
ちなみに、2006年のターセムの「落下の王国」でも、主人公の女のコは迫害されるルーマニア移民でした。
この手の役どころで、もっと活躍してほしいですね。せっかくアメリカ映画デビューしているのなら。
照りつける太陽と乾いた空気から、雨で濡れる路面に光るクルマのライトまで、典型的な男の映画的光景。
クサかっこいい映画に惚れこむタイプの人なら観てもいいかも知れません。
でも、ジョニー・ディップ目当ての人は失敗するだろうなあ。
FWF評価:☆☆☆★★

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