「泥だらけの純情」 中平康 / 純愛・東横線心中

「泥だらけの純情」
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中平康作品の中でも人気の作品のひとつの純愛もの。1963年作品。
渋谷の街のヤクザ組織のチンピラと、横浜は山の手の外交官の娘の悲恋の物語。
1960年代前半の渋谷(道玄坂あたりの繁華街が舞台の設定か)と横浜をつなぐ東横線がひとつの物語の舞台になっている。その東横線の路面電車程度の車両や東横線の改札あたりの光景が時代を感じさせる。
一本気質で純真な浜田光夫の少年チンピラのあどけなさと、世間知らずで一途なお嬢様の吉永小百合の可憐さが、ぎこちない恋の行く末の悲劇となるのだが、この2人の観るものを楽しくさせる演技の心地よさは特筆もので最大の見所だろう。
後に山口百恵と三浦友和の主演でリメイクされたりしているが、基本的には日活看板吉永小百合と浜田光夫のアイドル映画のつくりではある。
この2人といえば、自分としてはやはり、この映画の前年の作品、浦山桐郎監督の「キューポラのある町」が忘れられないが、こちらはコテコテの純愛モノ。
ただし、ベタベタとして純愛モノに陥らないところはさすがに中平康。
スピード感あるストーリー展開と魅力的な登場人物(特に小池朝雄)の造形がお見事。
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量産アイドル映画(プログラムピクチャー)の枠の中で、洗練された小粋な映画をつくるのはこの監督の得意技ですね。なかなかよかったです。
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神保町シアター特集企画「春よ!乙女よ!映画よ!」にて鑑賞。

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