ちょいワル親父なんてこんなもんさ / 「エレジー」 【映画】

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◇「エレジー」公式サイト
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たとえば、悪い親父と小娘の恋愛といえば、まずは思い出すのはベルトリッチの「ラスト・タンゴ・イン・パリ」
得体の知れないハゲオヤジ(落武者風)の荒くれに翻弄されつつ、最後に立場が反転する仕掛けが大変印象的な映画であった。
また、作家のオヤジと小娘の恋愛といえば、たとえば「家宅の人」。緒方拳が異彩を放つ演技で女優陣をうまく引き立てていた。
この映画に出てくるオヤジは、いわゆる「ちょいワル親父」。
独身のマッチョな文学の教授が生徒に惚れてしまうストーリー。
しかもこの親父が至って小心者。いつもは生徒にちょかい出す名人だし、さらには愛人も抱えていたりする。
なんだか、本当にそのへんにいそうである。
せっぱつまっていない小心者の金持ち親父の恋愛。
ああ、そういえば「ちょいワル親父」という言葉があったな、と思い出す。
ペネロペ・クルスが、女性がよく口にしそうな「きれいなヌード」を見せてくれる。けれど、裸というのは呪術なのである。禁忌につつまれてこそ呪力を放つのであって、ああいう「きれいなヌード」にはそういう霊力は一切ない。
そして、それが無害だからこそ、女性は同姓のヌードに同意をする。
この映画もそういうことだ。無害で映画の霊力が抜けてしまっている。
そして、先にあげた映画の親父に比べて、なんとこの映画の主人公は魅力がないことか。
ちょいワル親父なんてこんなもんだわな。

FWF評価: ☆☆

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